10月28日はおだしの日です。
和食の基本とも言えるおだしの正しい情報や、その魅力を知ってもらうための日として、おだしにこだわる飲食チェーン店を運営する株式会社太鼓亭が制定しました。
日付は江戸時代の紀州印南浦で、鰹節のカビ付けの製法を考案した角屋甚太郎の命日から取っています。
日本のおだしに欠かせない鰹節の作り方とは
地域によって差はありますが、和食の基礎になるおだしに欠かせないのが鰹節や昆布です。
中でも鰹節はさまざまな工程を経て、私達の食卓へと届きます。
その工程の数は12にも及ぶもので、カツオが水揚げされてから半年ほどの時間をかけてようやく完成します。
水揚げされたら頭や内蔵を落としてから三枚おろしにしたものを背身と腹身にわけ、それをかごに並べて沸騰直前のお湯でゆっくりと煮熟します。
その後骨抜きを行ってから、クヌギやコナラの薪を使って燻しながら乾燥させ、傷ついた身を修繕してから再度焙乾します。
カツオの身の中心の水分がきちんと抜けるまで乾燥すること10回から15回。
この工程を経てようやく、表面を整えてからカビ付けをして天日干しにします。
ここまでの手間をかけて作ることのできる鰹節は、生のカツオ5キロから800~900グラム程度で、そこからも貴重で高価なことがよくわかります。
おだしを楽しむ料理とお酒の相性は?
おだしの香りや味わいをたっぷりと堪能できる料理と、お酒の相性はとてもいいものです。
特に日本酒はどんなものにもフィットする個性を持っているので、日本料理のお椀などには、料理を邪魔しないすっきりとした日本酒を合わせたくなります。
おだしの持つ香りや味わい、そしてうまみには、お酒にもうまみが感じられるものを合わせるのがよく、中にはワインでもおいしくいただけるものがあります。
例えば日本ワインであれば甲州のほんのり甘みを残したようなタイプや、新酒の時期に出回るうっすら濁ったタイプのものは、おだしの効いた料理がとても良く合います。
また、チリの白ワイン「グッド・ダルジャン ソーヴィニヨン・ブラン」は、日本酒の酵母として知られる真澄酵母を使用し、長期間の低温発酵を行うことで生まれるうまみが日本のおだしにとても良く合う1本になっています。
しっかりとおだしを取って作るお料理とともにいただけば、うまみの相乗効果で長い余韻を楽しむことが出来ます。
鰹節の本場、焼津で親しまれている焼酎の飲み方とは
さて、日本酒やワインをおだしに合わせるのもいいですが、鰹節の本場でもある静岡県の焼津で親しまれているお酒の飲み方をご紹介します。
「焼津割」と言われる飲み方で、焼津ではポピュラーというより、焼津の人達の間でも知る人ぞ知る飲み方です。
焼酎をだしで割って飲む、と説明すると、とてもシンプルに聞こえるかも知れませんが、ほんの少し手間がかかります。
まず昆布だしを取って、昆布を引き上げたものを用意し、耐熱のグラスに鰹節を入れたものに昆布だしを注ぎ、そこに焼酎を注ぎます。
おだしの香りが心地よいだけでなく、温かいおだしと焼酎でホカホカに体が温まります。
この焼津割と似たような飲み方はいろいろなところで見かけることがあります。
例えばおでん屋さんのおでんだしで焼酎を割る「おでん割」などがいい例ですが、おだしも鰹節だけでなく、スルメイカを細く切ったものを加えてみたり、干し椎茸を入れてみてもいいかもしれません。
合わせる焼酎は麦焼酎などのくせのないものがよく合うので、懐にも優しいかも知れませんね。
自分好みにカスタマイズできるおだし割を、この冬晩酌の時間に楽しむのもいいのではないでしょうか。
きっと普段とちょっと違う気分が味わえますよ。