11月1日は紅茶の日です。
1791年(寛政3年)の11月1日に、伊勢の国(現・三重県)出身の船頭・大黒屋光太夫という人が、ロシアの女帝・エカテリーナ2世のお茶会に招かれ、日本人として初めて外国での正式な茶会で紅茶を飲んだことがその由来となっています。
1983年(昭和58年)に日本紅茶協会により定められました。
紅茶とは?
紅茶とは、茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込み完全発酵・乾燥させた茶葉です。
緑茶やウーロン茶と同様、「カメリア・シネンシス」という植物の葉から作られますが、製造過程の違いにより違うお茶となります。
茶葉には酸化酵素が含まれており、紅茶はこの働きを利用し茶葉を酸化発酵させて作ったものです。
発酵過程で茶葉は緑色から褐色に変化し、フルーツのような芳香が現れます。
緑茶は、茶葉を加熱することにより酸化酵素の働きを止めたお茶で、発酵していません。
よって、茶葉の緑色が残っています。
ウーロンは半発酵茶と呼ばれ、発酵を途中で止めたお茶。
つまり紅茶と緑茶の中間と言えます。
世界三大紅茶
では次に「世界三大紅茶」についてお話していきましょう。
「世界三大紅茶」と呼ばれているのは、中国のキーマン、インドのダージリンティー、スリランカのウバです。
「キーマン」の生産地は中国の安徽省祁門県。
上海の西に位置する安徽省祁門県は上海の西に位置しており多湿で、気温も低く日照量が少ないことから、他の茶葉に比べると「テアニン」の含有量が多いのが特徴です。
バラのような甘い花の香りと独自のスモーキーフレーバーがある甘く芳醇な紅茶で、ストレートで飲むのがおすすめです。
「ダージリン」は、インド北東部ダージリン地方にあるヒマラヤ山麓の標高2,000メートルを超える高地で収穫され、日中・夜の大きな寒暖差により強い香りと独特の風味が生まれます。
クオリティーシーズンには、ファーストフラッシュ(3月から4月)、セカンドラッシュ(5月~6月)、オータムナル(10月から11月)があります。
セカンドラッシュで収穫される茶葉には、マスカット香があり、味・コク・香りにおいて最上級。
基本的には香りや水色を楽しむためにストレートで飲まれますが、オータムナルの茶葉はコク深いので、ミルクティーに適しています。
「ウバ」は、スリランカの南東部にあるウバ州の高地で生産されているセイロンティーの代表銘柄のひとつ。
ウバは、ハイグロウンティー(標高1200メートル以上にある茶園で生産される紅茶)で、バラの花のような独特な香りとキレの良い渋みが特徴的です。
上質なものはストレートティーとして香りを楽しまれますが、ウバはミルクとの相性が良いため、ミルクティーにも大変適しています。
紅茶のお酒①
続いては、紅茶の豊かな風味が楽しめるお酒をご紹介していきましょう。
最初のお酒は、宮城県 新澤酒造の「薫る紅茶酒」です。
新澤酒造は、1873年創業の宮城県大崎市の蔵元です。
地元で愛飲されてきた「愛宕の松」は、『荒城の月』の詩人である土井晩翠が愛したお酒。
近年、国際コンクールでも数々の賞を受賞する実力派の造り手です。
「薫る紅茶酒」には、爽やかな香りの茶葉セイロンと柑橘類のベルガモットをブレンドしたアールグレイを贅沢に使用。
丁寧に仕込んだ日本酒と甘さを抑えた紅茶の優雅な味わいが特徴で、食後酒にぴったり。
ロックはもちろん、牛乳、ソーダで1:1で割るのがおすすめです。
紅茶のお酒②
次のお酒は、愛知県 中埜酒造の「國盛 紅茶梅酒」。
中埜酒造は、弘化元年(1844年)創業の酒造会社で、清酒、焼酎、梅酒、リキュール、甘酒などを製造販売しています。
「國盛 紅茶梅酒」は、国産梅100%で仕込んだ梅酒に、ダージリン紅茶の茶葉から抽出したエキスを加えたお酒。
梅酒の甘酸っぱい味わいと紅茶の甘い香りがなんともマッチしています。
暑い時期はたっぷりのクラッシュアイスとともにロックで。
これからの時期はお湯割りにしてくつろぎタイムのお供にぴったりです。
紅茶のお酒③
次にご紹介するのは、鹿児島県 東酒造の「Little Kiss (紅茶)」です。
東酒造は、鹿児島市で100年の歴史を持つ酒造メーカーです。
「Little Kiss (紅茶)」は、鹿児島県徳之島産べにふうき紅茶茶葉を、米焼酎と黒酒に漬け込んだリキュールです。
紅茶の香りの中に黒酒の甘みが溶け込みすっきりと飲みやすく仕上がっており、飲み疲れしない美味しさ。
ミルク割にしたり、バニラアイスにかけたりとアレンジバリエーションが幅広いのもうれしいポイントです。
紅茶のお酒④
次のお酒は、フランス ラルチザンデュテの「ティースパークリングワイン パリ/アールグレイ」。
低温で抽出した紅茶の香りが豊かなスパークリングワインの2本セットです。
「ティースパークリングワイン パリ」は、ラズベリーが香り、ハイビスカスの酸味とほろ苦いタンニンが印象的。
「ティースパークリングワイン アールグレイ」は、アールグレイの香り立ちが華やかです。
余韻に残る紅茶のタンニン、ほのかな甘みの果実感が食事やスウィーツの味わいを引き立てます。
紅茶の日には、ちょっと珍しい紅茶のお酒を楽しんでみませんか?