11月5日は日本ブラジル修好記念日です。
1895年のこの日に、パリの地で日伯修好通商条約が調印され、これ以降多くの移民が日本からブラジルへと渡っていきました。
そして現在もなお、地球の裏側にある両国の友好関係は続き、さまざまなかたちでその友好を深めています。
ブラジルってどんな国?
地球儀で見ると、日本のちょうど裏側にあるのがブラジルです。
南米で一番大きな国で、その国土は南米大陸の半分ほどを占める広さがあります。
アマゾンのような熱帯雨林の地域もあれば、南部の方には温暖湿潤気候の地域もあり、国土が広い分気候も地域によってさまざまです。
南米大陸の半分を占める広い国土には2億人近い人々が住み、人口でいうと世界で第5位の多さになります。
移民の国でもあり、ブラジルに暮らす人々はさまざまです。
北部にはアフリカ系移民が多く、中部にはポルトガル系やイタリア系、南部にはヨーロッパからの移民が多く、日系人や中東からの移民はサンパウロ周辺に多いのだそうです。
移民が多い分、単に人種が多いだけではなく、それぞれ文化も持ち込んで暮らしているため、生活様式も非常に多様なのがブラジルの特徴とも言えます。
日本にとってのブラジル、ブラジルにとっての日本
ブラジルというと、リオのカーニバルやサッカーのイメージが強いかもしれませんが、実はブラジルは世界で最大の農業大国としても知られています。
コーヒーやオレンジジュース、砂糖、鶏肉などは、輸出額も世界一を誇ります。
自分の家の冷蔵庫の中身をよく見てみると、意外とブラジル産のものを使用した食材があるかもしれません。
また、文化的にもボサノヴァなどのブラジル音楽や、一時大流行した肉料理、シュラスコなどを楽しめる飲食店も都市部には多く、群馬県の大泉町や、静岡県浜松市にはブラジル人街ができていたりもします。
ブラジルにとっても日本は身近な存在で、サンパウロでは日本文化を紹介する「日本祭り」が行われ、3日間でのべ18万人の人たちが集い、日本文化を楽しみます。
焼きそばや手巻き寿司などの日本食を楽しんだり、日本のアニメのコスプレをしたり、日本映画が上映されたりと、さまざまな日本文化に多くの人が親しんでいます。
ブラジルの国民的お酒「カシャッサ」とは
日本と同様に、ブラジルでももちろんいろいろなお酒が造られていますが、中でも国民的なお酒といわれるのが「カシャッサ」というお酒です。
カシャッサは、ブラジル産のサトウキビを使った蒸留酒で、厳しい法律のもとで造られているお酒でもあります。
ブラジル産のサトウキビジュースを100%使い、それを発酵させてから蒸留するという工程だけ聞くと、お酒好きなら誰でも「それはラム酒では?」と思うのではないでしょうか。
しかし、ラムの場合はサトウキビジュースから造る場合と、サトウキビシロップから造る場合があり、前者を「アグリコールラム」と呼び、カシャッサはこちらにあたります。
実際にはカシャッサの場合、使用する樽や蒸留器などが細かく違っているのだそうです。
製糖産業とともに広まっていったカシャッサ
カシャッサは、もともと砂糖を作る工程で生まれた副産物のようなお酒で、16世紀頃、砂糖を作っていた奴隷たちが飲んでいたものを、そのうち奴隷を管理する側の人たちも飲むようになり、製糖産業がブラジルに広がるに連れ、広く飲まれるようになっていったのだといいます。
また、ポルトガル領だったブラジルが、ポルトガルから独立運動をしたときにも、カシャッサは大きく広がっていきました。
それは独立運動のスローガンに理由がありました。
「独立の乾杯はポルトガルワインでするのではなく、我々のカシャッサでするのだ」というもの。
独立運動は失敗に終わりましたが、このスローガンとともに庶民にカシャッサが広がっていきました。
カシャッサの飲み方は、カイピリーニャにするのが一般的。
他にもハーブやコーヒー豆を梅酒を作るように漬け込んで作る「インフュージョン」もブラジルで親しまれている飲み方です。
日本ブラジル修好記念日にはカシャッサで乾杯をしたら、きっと楽しい気分になれることうけあいです。