11月24日は和食の日です。
和食はユネスコ無形文化遺産にもなっている、日本に根づく伝統的な食文化。日付は「いい(11)に(2)ほんしょ(4)く」の語呂合わせから来ています。
実りの秋に日本食の文化を見直し、和食の保護や継承の大切さを考えようと制定されました。
和食の特徴ってどんなもの?
日本に生まれ育って普段から食べている和食の、特徴を説明しなさいと言われたら、きちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
和食には4つの特徴があると言われています。
まずなんといっても、新鮮な食材の持ち味を活かす調理方法や技術が確立されていること。
また、栄養のバランスを考えると理想的な「一汁三菜」という食事のスタイルが基本にあること。
だしのうまみなどを上手に利用することで、動物性油脂の使用を押さえているのも健康的な食事になっている理由のひとつです。
さらに、季節の花や葉をあしらいに使った季節の表現や、季節にあった器を利用することなどで季節感を楽しむ食事であること。
そして、お正月やお盆といった年中行事と密接に結びついた料理が数多くあることも特徴のひとつです。
和食を目で、舌で愉しみ、その楽しさを分かち合うことで絆を深めることができるのが和食の良いところでもあります。
ハレの日からケの日まで、和食の多様な料理法
和食とひとくちにいってもさまざまなものがあり、普段私達が日常的に食べている家庭料理もあれば、地方の村々に根付く郷土料理や、割烹や料亭で食べる懐石料理など、そのスタイルもさまざまです。
しかし日本は島国ということもあり、他の国から入ってくる料理を柔軟に受け入れてきました。
例えば黒船来航から始まる南蛮文化を取り入れ、それを日本人好みに変えた「洋食」のようなものも数多くあり、都市部にいたっては他の国では類を見ないほど、さまざまな国の料理を楽しむことも出来ます。
そうしたことも含めつつ、長い歴史の中で連綿と継承されてきた伝統的な和食の文化を、改めて研究したり、保護するためにワークショップを開いたりといった試みを行っている団体もあります。
毎日食べている和食を見直すことは、私達自身の食生活を見直すことでもあり、それを見直すことで健やかな生活を送ることに繋がるものだといえるでしょう。
和食と切っても切れないお酒、日本酒
そして和食とともにいただくお酒というと、必ずその筆頭に上がるのが日本酒です。
日本酒の歴史は古く、起源には諸説ありますが、稲作が伝わってきた弥生時代に生まれたのではないかという説や、縄文時代にはすでにお米を使ってお酒を造っていたのではという説もあります。
当時の米どころでもあった、九州地方や近畿地方といった地域では、弥生時代にはすでに日本酒が飲まれていたことが文献にも見つかっており、その歴史の長さがわかります。
日本最古の酒蔵はどこにあるのか?!
さて、そんなことも踏まえた上で、日本で一番古い酒蔵はどこにあるか考えてみましょう。
歴史的にもとの米どころであった西日本にあると思う方もいるでしょうが、実はとても意外なところにその酒蔵はあります。
須藤本家は茨城県笠間市にある酒蔵で、創業してからすでに900年近い最古の酒蔵です。
創業は1141年、平安時代のことだというから驚きです。
須藤本家はただ歴史が古いだけではないのがすごいところで、2007年と2008年には蔵のフラッグシップでもある「郷乃譽」がインターナショナル・ワイン・チャレンジで金賞を受賞する実力のある酒蔵でもあるのです。
造っている日本酒はすべて純米大吟醸で、日本で初めて「ひやおろし」を造った蔵としても知られています。
ベーシックなお酒が世界的に評価を受けているというのは、非常に栄誉あることだといえるでしょう。
和食の日には腕によりをかけた和食を用意して、須藤本家の郷乃譽を楽しむのもいいのではないでしょうか。
季節の食材とともに楽しむひやおろしを飲みながら、和食の成り立ちを考えるのもまた乙なものです。