「醸造アルコール」とは身近なあのお酒!香りづけと防腐の魔法

「醸造アルコール」とは身近なあのお酒!香りづけと防腐の魔法

日本酒検定3級受験を12月7日に控え、若干錯乱しつつもテキスト熟読中の酔いどれ女子です。

今日は、「いいなあ、わたしにも添加してくれないかなあ」と思った醸造アルコール添加、通称「アル添」についてお話します。

醸造アルコール添加について

「醸造アルコール」って何?

日本酒の原料と言えばお米+米麹+水ですが、「醸造アルコール」が添加される場合もあります。醸造アルコールの正体は、とうもろこしなどを原料に、甲類焼酎と同じ製法で作られた純度の高いアルコール(約45%前後)。醸造アルコールっていうと理科の実験に出てくる化学物質のようですが、要するに「焼酎」ってことなんですね!

醸造アルコール添加により、どんな効果が得られるかというと…

まるで魔法みたいですよ。

1)香りづけ

香りが増して辛口に仕上がります。
吟醸酒などは、吟醸香を引き出す目的で、醸造アルコールを少し添加する場合があります。

2)防腐

「もうこれ以上発酵しなくてよい」という状態のとき、発酵をストップさせると同時に、お酒を白濁させ腐らせてしまう「火落ち菌」の繁殖リスクを下げるために投入。

アル添は、現代のように技術が発達していなかった江戸時代に、アルコール度数が高いほうが腐敗しにくいことに気づき、「柱焼酎」と呼ばれる度数の高いアルコールを添加したのが始まりとのこと。

防腐と香りづけ…わたしにも添加してもらいたいくらいです。

戦後の米不足を支えたアル添、三増酒

イイコト尽くめのように思えますが、中には「アル添」をあまり好まない人も。

理由としては、戦後の米不足の時代、水とアルコールでかさ増しさせた「三増酒」がはびこっていたことや、「安くたくさんお酒が飲みたい!」という需要をかなえる廉価なお酒には、醸造アルコールも含め、酸味料などの添加物が多く、舌の肥えたお酒好きには、納得できない味かも。

名前でスグわかる、アル添の有無

醸造アルコール添加量により、お酒の名称も変わります。逆に言うと、お酒の名前を見れば醸造アルコールの有無がわかるとも言えます。

◆醸造アルコール添加なし

純米酒/純米大吟醸酒/純米吟醸酒/特別純米酒
=「純米」という言葉がつけば、醸造アルコール添加はなし。

◆規定量内の醸造アルコール添加(※)

大吟醸酒/吟醸酒/特別本醸造酒/本醸造酒
=「純米」という言葉がなければ、醸造アルコールはある

※規定量の醸造アルコール添加とは、白米総重量に対して10%以下

◆規定量外の醸造アルコール添加
あるいは米、米麹、醸造アルコール以外の原料を使用

=普通酒

アル添がイイとかイケナイとか、格上とか下ということではないんだなと思います。

美味しいお酒造りに工夫と努力をしてくださった方々に感謝♪
感謝の気持ちを態度で示して…今日も乾杯!

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