お酒好きの人の中には、「自分の好きなお酒がいったいどんな場所で造られているのかこの目で見てみたい」と思う人も多いんじゃないでしょうか。
最近では、そういった方たちに向けたツアーが数多く用意されているのをご存知ですか?
はじめからワイナリーを訪ねることがメインのものから、気軽に申し込めるオプショナルツアーまで、形態はさまざま。
わたしもこの秋にイタリアのワイナリーを訪ねましたが、その時は、通常のイタリア旅行のプランにオプション追加という形で旅行会社にお願いしました。
目指したのはイタリア中部、トスカーナ州のモンタルチーノ!イタリアの中でも特に有名なワインの産地です。
「ワイナリー見学に行ってみたいけど、ちょっと不安…」という方のために、わたしのワイナリー訪問の体験をご紹介したいと思います。
いざ出発!訪問前に気をつけておきたいことは?
待ちに待ったワイナリー訪問当日の朝は、フィレンツェ市内のホテルに、日本人女性のガイドさんが迎えに来てくれました。イタリア人の旦那さんの運転する車に乗り込み、いざ出発!
目的地のモンタルチーノはフィレンツェから車でおよそ2時間。整備が整っているとは言いがたい、山の中の道を進んでいきました。
ワイナリーに向かう途中でぜひ見ておきたいのは、周りの風景。もちろん旅の一番の目的はワイナリーを訪ねることですが、ただ行って帰ってくるだけではもったいない!ワインの生まれ故郷の空気を直接肌で感じられるのは、ツアーの醍醐味です。
ガイドさんも、ところどころ車を止めて、写真を撮ったりお店を覗いたりする時間を設けてくれました。
ワインと料理は同じ地域のもの同士の相性がいいので、おみやげ屋さんやリストランテのメニューでどんな地方料理があるのか、チェックしてみるのもおすすめです。
目的地の周辺で昼食ということになったのですが、ここでひとつ、注意をしておきたいことが。それは、ワイナリー訪問前に、ワインを飲みすぎないこと!
ワイナリーツアーでは、見学だけではなくもちろん試飲もさせてもらえることがほとんどです。先にたっぷり飲んでしまっては、もったいない。メニューには美味しそうなワインがたくさん並んでいましたが、ここではぐっと我慢…。
この後を楽しみに、ワインは控えめにして、しっかりおなかを満たしておきましょう。そうすれば、試飲の時に酔っぱらうのを防ぐこともできます。
ワインの生まれ故郷で、ワインと向き合う
食事も済ませ、周りの風景も楽しんだら、いよいよワイナリー訪問の時です。
ぶどう畑の間の細い道を進むと、ワイナリーの入り口が見えてきます。
わたしがお邪魔したのは、この地域の代表的な赤ワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を造っているワイナリーのひとつ、「CAPANNA」さん。家族代々受け継がれている老舗のワイナリーです。到着するとさっそくご家族で出迎えてくれました。
スタッフさんの案内で、ついにワインの醸造所に足を踏み入れます。
地下の貯蔵庫には、樽の中で出荷を待つワインたちが静かに並んでいました。
スタッフさんが丁寧に説明をしてくれ、時には質問もさせてもらえます。
(ガイドさんがきちんと通訳してくれるので、言葉の心配はいりません。)
ワイナリーの周りには、無駄な音が一切ありません。それもそのはず、まわりは一面のぶどう畑。しんとした中でワインと向き合っていると、神聖な気持ちになります。
この土地で収穫されたぶどうが、この場所で大切にワインとして醸造され、わたしたちのもとに届けられる…。今まで気軽に飲んでいたワインが、ますますありがたいものに思えてきました。
お気に入りのワインを連れて帰ろう
ひととおり見学を終えると、次はお待ちかねの試飲の時間です。
CAPANNAさんで試飲させていただいたのは、大人気の「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」と「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」、ぶどうをピンで摘まんで糖分を凝縮させた甘口の白ワイン、そしてワインを造るときに出るぶどうの絞りカスが原料の蒸留酒「グラッパ」です。
造り手さんからお話を聞きながら、あらためて飲むワインは……やっぱり美味しい!
試飲したワインは、もちろん購入することができます。
わたしは甘口の白ワインをいただくことにしました。ワイナリーの近くの村の特産品、羊のチーズと合わせることを妄想しつつ…。
こういったことができるのも、ワイナリー訪問の楽しみのひとつですね。
購入したワインを抱え、ほろ酔いのしあわせな気持ちでワイナリーを後にしたのでした。
お忙しい中、時間を取っていただいたスタッフの方々にお礼を言うことも忘れずに…
いかがでしたでしょうか。
わたしたちの生活に彩りを加え、楽しませてくれるお酒たち。時には思い切って、大好きなお酒の生まれた場所まで出かけてみませんか。
造り手さんの想いを知り、あらためて向き合ってみることで、ふだん飲んでいるお酒がさらに特別な味わいになること、間違いなしです。